認知症・もの忘れ

リハビリテーションにおける認知症・もの忘れに対する対応

もの忘れ外来とはもの忘れは誰にでも起こります。同じ話を何度も繰り返す、通い慣れた場所から帰れなくなるなども自然な老化現象として起こることがありますが、もの忘れによって日常生活に支障が及ぶようになったら、認知症が疑われます。
ただし、認知症はその前段階である軽度認知障害の段階で発見することで症状の進行を遅くできる可能性が高くなります。
そのため、少しもの忘れが増えたという段階で、もの忘れ外来を受診することをおすすめしています。
当院では、日本抗加齢医学会専門医の院長が、老化をトータルに捉えた診療を行っています。
もの忘れが気になりはじめたら、また親しい相手からもの忘れを指摘されたら、お気軽にいらしてください。

こんな症状に気付いたらご相談ください

良性健忘

良性健忘加齢によって起こる記憶障害で、正常な老化現象の範疇に収まるものです。
もの忘れが増えても、指摘されて忘れていたことを思い出すのは良性健忘と考えられますが、指摘されても思い出せない状態が増えると認知症が疑われます。
ただし、認知症でも早期には同じような症状を起こすため、グレーゾーンの軽度認知障害との区別は困難です。

軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)

認知症のグレーゾーンと捉えられている状態で、日常生活に大きな支障はありませんが、放置していると認知機能の低下が進んでしまいます。
軽度認知障害を放置した場合、5年後には約50%が認知症を発症すると考えられています。
軽度認知障害に使用できる薬物療法はまだありませんが、適切な運動を習慣付け、DHAを摂取することで認知症発症を遅らせる・予防する効果を得られるケースがあります。

認知症

認知症特殊なたんぱく質や脳血管障害、萎縮などによって脳の機能が低下して、記憶や判断、認識などの能力低下が徐々に進行して日常生活に支障を及ぼす病気です。
日本では、65歳以上70歳未満の1.5%、85歳以上では27%が認知症だとされています。
初期の認知症の症状は健康な方のもの忘れとほとんど変わらないことが多いですが、早期の治療によって進行を遅くできる可能性が高くなるので、もの忘れが気になった時点で受診することをおすすめしています。
認知症は原因によって4種類に分けられ、アルツハイマー型認知症が多数を占めていて、次いで脳血管障害によるものが多くなっています。
なお、高齢者だけでなく、若い世代の方でも脳血管障害、若年性アルツハイマー型認知症、前頭側頭型認知症などの認知症を発症することがあります。

認知症の種類について

アルツハイマー型認知症

アミロイドβなどの特殊なたんぱく質が脳に蓄積して神経細胞が壊れて、脳の神経による情報の伝達がうまく行われなくなり、認知機能が低下します。
神経細胞が死滅することで脳が萎縮し、進行すると身体機能も徐々に失われてしまいます。男性よりも女性の発症が多く、早期発見と適切な治療が重要です。

脳血管型認知症

脳梗塞・脳出血・くも膜下出血といった脳血管障害によって起こる認知症です。脳血管の閉塞や出血によってその先の脳細胞に酸素や栄養素が不足して神経細胞が死滅して発症します。
閉塞や出血を起こしている部位や範囲によって起こる症状はさまざまです。
脳血管障害は放置していると発作を繰り返して深刻な状態になるケースが多いため、早期発見と適切な治療が不可欠です。

レビー小体型認知症

大脳皮質や脳幹に特殊なたんぱく質であるレビー小体が多く認められるタイプの認知症で、レビー小体が多い場所では情報の伝達がうまく行えなくなって認知機能が低下します。
リアルな幻視や睡眠障害を起こすことが多く、悪夢をみるケースもよくあります。

前頭側頭型認知症

40代など比較的若い世代の発症が多い認知症です。
前頭葉と側頭葉の萎縮によって生じ、早期にはコミュニケーションをうまく取れなくなるといった症状を起こします。
反社会的行動、言葉が出にくくなるなどの症状を起こすこともあります。

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